「性教育」
堤 一燈
先日の大分合同新聞に県内二十才未満の妊娠中絶が急速に増えており「徹底した避妊教育を」という報道があった。また、日田市内のある調査によれば、高校二年生女子の経験率は40%を超えているそうだ。そこで、子供たちに「正しい」情報を与える性教育の必要性が叫ばれるのだが、それは大抵の場合、避妊やエイズ予防の為に「コンドーム」を使いなさいという教育である。▼既に、アメリカでは「コンドーム教育」の失敗が云われている。一例をあげれば、「コンドーム」など避妊を強調したプログラムを実施したグループでは十代妊娠が17%増加した上、コンドームの使用率に変化はなかったそうだ。いわば、子供たちに「火をつけただけ」のことであった。▼そして今や、アメリカの性教育は「セーフセックス」から「ノーセックス」だそうだ。つまり、成人するか結婚するまでは「ノーセックス」の勧めである。多数のパートナーとのセックスに「安全なセックス」はないのである。統計によれば、性交開始年齢が低いほどパートナーの数が増え、パートナーの数が多いほど、妊娠、中絶、性感染症、エイズ、子宮頚癌などの危険が増加する。大いに想像出来ることだが学習意欲も減退するのだそうである。▼では「ノーセックス」教育とはどのようなものか。アメリカも日本と同じで、同級生からの「あなた、まだなの」や「相手に嫌われたくない」というプレッシャーに弱いのだそうだ。そこで「人間こそが欲望をコントロールできるのであり、自分を大切にしなければならない」「セックスは、将来、良きパートナーと共有すべきすばらしいものである」と教え、だからそれまでは、「セックスを上手に断れる」ようにトレーニングするプログラムだそうだ。あるいは、セカンドバージンといって、仮に経験していてもそこから立ち直らせることもできるそうである。古い脳の動物的欲望を人間の前頭葉で自己コントロールするように鍛えるのである。前頭葉を鍛えれば恥を知り、立居振舞が抑制的になり人間としての品格が備わってくるのは明らかである。性の抑制は、単に禁欲だけではなく人間性をも高めるのだ。▼つまり「貞操」は人から押し付けられるものではなく、自分と将来のパートナーとのすばらしい人生の為に必要なものなのだ。人間は試行錯誤の末、結局は先人の智恵に行き着くことになるのである。日本ではあまり報道されていないがアメリカでは四十年の混乱を経て伝統に回帰しつつある。「古い」といわれるお母さん方、自信を持ってください。あなた方は最先端なのです。
「タウン情報ひた」
子ども・躾・教育 D
(平成十三年十二月掲載) |